絶望と喪失感のストーリー

何だかこのところ、どよ~んとしたある思いが
いつの間にやら心を覆っていたことに
はたと気づきました。

無意識の内にそれを追い払おうとあれやこれや
働きかけたりしてしまっていたのですが、

そうだった、それではダメなんだと
気づいてからは、その重苦しいエネルギーを
受け止めて、じっとそれを辿ってみました。

改めて意識的にとらえて見ると、
どうせ自分は助からないとか、
他の人は良くなったとしても、
私は何をやってもダメなんだとか、
人生を投げ出してしまいたいとか、

ドヨドヨとした思いがグルグル頭の中を
巡っています。

これ、どこから来るんだろうな~
と辿ってみると、いくつもの人生の
臨終の場面が見えてきたりしました。

どの人生も、瀕死の状態で今まさに
死んでいくというとき、胸の内は
悲しみで一杯でした。

それぞれの人生で、様々な死に方を
しているのですが、なぜそんなにも悲しいのか。

人間、いつかは死ぬものですから、
必ずしも死が悲しいとは限らないのに。

ある人生を辿っていくと、
こんなストーリーが見えてきました。

私はある街で薬問屋をしている男性でした。
ある日、夜遅くなって店の戸を叩く音がするので
開けて見ると、40代くらいの男性が、娘が
病にかかっているので薬が欲しいと言います。

男性は、この店にその病に効く薬が
置いてあることを知っていたのでした。

けれどその薬はとても高価なうえ、
国によって厳しく統制されていて、
おいそれとは売ることのできないもの。

男性は自分が一生かかっても
お金は必ず返すと力説しましたが、

もし売ったとわかれば自分が重い罪に
問われることになる。私は断らざるを
得ませんでした。

そして、男性の娘は亡くなりました。

男性は娘の亡くなった悲しみと
薬を売ってもらえなかった怒り、
世の理不尽さから、私に激しい恨みを
抱きます。

そして、どうやら私は男性に撲殺された
ようでした。

男性の側の意識に入って、
彼が受け止められなかった様々な気持ち、
思いを見ていくと、

娘を救えなかったという罪悪感を抱いていたので
まず罪悪感を抱くのを止めます。

なぜなら、罪悪感は感情の蓋だからです。
本当に感じていた感情をごまかすために、
自分を責めて誤魔化しているんですね。

だから、これを止めると、本来感じていた
耐え難い感情が噴き出してきます。
これを受け止めるのです。

深い悲しみと混乱で、
男性は息もできないくらい、
我を見失っていました。

男性の体の中に意識を入れたまま、
呼吸を取り戻し、悲しみと混乱を
受け止めていきます。

男性は、今まさに死んでいこうとする
娘を見たときのパニックで、上下左右も
わからぬくらい、パニックになっていました。

体の感覚もほぼ意識が肉体から抜けていて、
ないような状態でしたので、これを戻して
どうにかパニックを収めていきます。

悲しい事実を受け止めたくないという
抵抗もやめると、今度は心臓を指すような
悲しみが襲ってきました。

それを感じていると、魂から絞り出すような
叫びが出てきて、男性は膝から崩れ落ち、
顔を覆って泣いていました。

男性は、この悲しみや喪失感が耐え難くて
逆恨みという責任転嫁をしていたわけですね。

この人生において、私は被害者でしたが、
私の中にも彼とまったく同じ、受け止めがたい
深い悲しみがありました。

このエネルギーが、引き合ってしまったのです。

彼の中で受け止めた混乱と悲しみ、喪失感は、
私自身のものでもあるので、今私は彼という
「鏡」を通して、ようやく自身の封印の奥に
触れることができたのでした。

自分のハートを震わせながら、
混乱と悲しみ、喪失感を受け止めていくと、

最も失いたくなかった大切な存在が奪われたことで
断固とした力が自分の幸せを決して許さない
のだという、人生への絶望感のような思いが
浮上してきました。

そう思うことで、自分の中に悲しみと
絶望感が固定されてしまったようです。

でも実際は、ただ大切な存在が失われ、
自分の中にとても辛い感情の数々が
浮上している、というだけです。

誰も、自分が幸せになることを
許していないわけじゃない。

そこを転換して、ひたすら痛い感情の
数々を受け止め、統合していきました。

体の中に、随分と年季の入った
叫びが埋もれていたものだな、
と思いましたが、大分すっきりしました。

何か、たくさんのものが抜けていった
感じです。

統合後にもう一度ストーリーを確認
してみると、男性はもう私を殺しては
いませんでした。

娘はどうなっただろう?と見ると、
峠を越して生きている!

前のストーリーでは、娘を亡くして
世を呪っていたのですが、
娘は死なず、男性は娘の枕元におかゆの
ようなものを運んでいるのが見えました。

一応、前のストーリーで男性が世にかけた
呪いも解除しておきます。

自分で世界に呪いをかけたので、
男性の生きる世界は呪われたものに
なっていたのですね。

呪いを解除した途端、感謝の思いが
男性の中にあふれてきました。

私は日々忙しく、薬問屋の仕事に精を
出しています。

一人の人間の未完了の感情が完了すると、
いくつもの人生が変わっていくわけですね。

ドヨドヨしていた気分も随分クリアに
なりました。

また一つ、私のカルマがクリアになったかな。

過去世の私と、彼の人生に祝福を。

 



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