愛や優しさと見えるもの

先日、境界線のお話を書いたのですが、
http://healing-gate.com/blog/2018/12/04/hibinokiduki-232/

ある方とお話をしていて
思うところがあったので、
もうちょっと書いてみます。

その方は、パートナーをとっても大事に
していらっしゃる方なのですが、

何かパートナーに良くないことがあると、
ひょっとして自分のせい?って
すごく心配されるんですね。

まぁ、そう思ってしまうご事情もあるので
わからなくはないのですが、

傍から見ていて、
相手を心配される時のその方の在り方が、

ズルっと相手に身を乗り出すようにして
「自分がお留守」になるように見えるので、
それは在り方としてあまり健全ではない
だろうな、と思ったわけです。

つまり、その状態が私には、
相手が引き受けるべき領域のことにまで、
その方が引き受けようとしている、
と見えるわけです。

こういうことをしてしまうと、絡み合って、
お互いがお互いの中に自身を見失い、
共依存の関係の中でずぶずぶに溺れていきます。

これは一見、優しさで愛のように思えるのですが、
それは決して愛ではありません。

実際その方がどうなのか、さらっと見ただけなので
違うかもしれませんが、もしそうであるなら、
という場合についてさらに書いてみます。

(決して、その方がそうだと言っているわけでは
ありません。話のきっかけですね)

自分に大切な人であればあるほど、
相手が辛い状況に置かれているのを見るのは
居ても立っても居られない気持ちが
掻き立てられることでしょう。

その掻き立てられた気持ちのままに
行動を起こして、相手の状況に介入することは、
以前も書きましたが、それは「相手のため」
ではありません。

そういう行為は、ある種「英雄的な高揚感」を
もたらすので、心地良くは感じられる
のですが、結局のところそれは、

「自分の落ち着かない気持ちを収めたい」
という利己的な動機によるものです。

仮にそういう動機から行動を起こしたとしても、
その行為の結果は、お互いに健全で
気持ちの良いものにはなりません。

そういうときは、まず自分自身の中で
狂おしく浮上する落ち着かない気持ちにこそ
向き合い、統合するべきだと私は思います。

それができたうえで、改めて相手に向き合い、
必要であれば為すべきことをした方が、
絡み合っていない愛のある行為になります。

いつ、どのように手を差し伸べるべきかは、
こういう状態でないと適切に判断するのは
不可能です。

必ず駆り立てられる感情のエネルギーに
引きずられて、手を出すべきでないところで
手出しをしてしまったりするでしょう。

パートナーの関係だけではなく、
親子間でもそうですし、師匠弟子の関係でも
同じことが言えます。

過保護な親、というのはまさにこの典型
と言っても良いでしょうね。

過保護にされてきた方はわかると思いますが、
それが親の愛だと言われて、
素直に同意できるでしょうか。

愛という言葉の免罪符を借りた
厄介な重荷ではなかったでしょうか。

どこからが愛で、どこからがエゴなのか、
識別は難しいとみなさんおっしゃいますが、

少なくとも自分自身の感情に責任を
取ったうえで、ものごとを見ているのかどうか
というところを意識すれば、自ずと
わかるものがあるのではないでしょうか。

それをやらずに頭で識別しようとする人が
「難しい」と言うのだろうと私は思っています。

本当に大切な人を大切に慈しみ、
愛したいと思うのなら、

容易く自身の感情に引きずられてしまう
在り方を整えることが先です。

そうでないと、相手が間違った在り方をしたときに、
それに対してNOと言い、本当に正しい道に
諭し、導くこともできずに、もろともに
堕ちていくことにさえなりかねない。

まぁ、それは極端な例ですけれどね。
でも世の中、そういう例に暇はありません。

構造は一緒なのですね。

互いに一人の人間として自立し、
健全で愛の在る関係性を築くには、

依存関係でべたべたに絡み合うのではなく、
互いに自分自身の領域のことに
しっかり責任を取ることが肝要です。

そうして初めてそこに互いをリスペクトし合う
信頼関係が生まれ、互いに可能性を
引き出し合って発展させて行ける
喜びを見出すでしょう。

「愛や優しさのように見えるもの」の中に、
容易く自分を見失っていかないように。

甘美な喜びの中にまどろまず、
常に識別の目を目覚めさせておくように。

愛の関係が、気高く、長く続いて
深まっていくように。



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