コントロールすること、されることの苦しみ

人からコントロールされるのも
人をコントロールするのも、
どちらの心理もなかなかに苦しいものですが

極端に人をコントロールせずにはいられない
という心の状態の奥には、

何かしら、嫌な思いをしたくないので、
相手に思い通りに動いてほしい、
という恐れがあると思います。

傷つきたくないとか、
打ちのめされたくない、
ショックを受けたくない、
がっかりしたくないなど。

そんな思いはできる限り味わいたくないので
どうにかしてそれを感じさせるような
状況を避けるために、ガチガチに相手を
コントロールしてしまいたくなるのです。

そうでないと、
自分の気持ちが安らかでいられないから、
何が何でも、思い通りに動いてくれないと
困るわけです。

そこには、コントロールされる側の
気持ちへの配慮は、ほぼありません。

自分が嫌な思いをしないように、
ということで一杯一杯なケースが
ほとんどのような気がします。

親が子供に、上司が部下に、先生が生徒に、
あるいは、パートナーに対して。

様々な関係性の中で、陰に陽に、
あらゆる形でコントロールが起こり得ます。

ただ、コントロールすること自体が
すべて悪いと言っているわけではなくて、

ここで言うのはあくまで、
恐れを動機とする、極端なコントロール
について取り上げています。

コントロールにも、
識別はなかなかに難しいですが、
恐れを動機としない導き
とでもいうべきものはあると思います。

けれど、今はそれは除きます。

話は元に戻って、
相手をコントロールせずにはいられない
という衝動も度が過ぎると、

箸の上げ下ろしからありとあらゆる振舞いまで
口うるさく指図するようになってしまいますし、
束縛や監禁なんてことにまでつながっていきます。

これでは、コントロールされる側は
たまったものではありません。

そしてまた、コントロールする側も、
どんなに口うるさくがんじ絡めにしたところで、
相手を思い通りにし切れるわけではないですから
心底心が休まることはないでしょう。

もっと言ってしまえば、
どれだけ相手があなたの指図に従ったとしても、
あなたの心は満たされることはありません。

なぜなら、あなたの心が安らかでないのは
相手のせいではないからです。

それは、あなた自身の問題です。

けれど、あなたはその問題の責任を
相手に押し付けて、相手にどうにかしてほしい
と強要しているのです。

それが、悲劇の始まりなのです。

あなたのコントロールを受け入れる相手は、
何かしら、意識、無意識的にあなたからの
愛や称賛、承認、受容などを求めています。

だから、あなたが押し付けた理不尽な
コントロールを受け入れるのです。

絶望的なまでに、決して満たされることのない
あなたの欲求に、深く苦しみながらも
彼らは何とか応えようと努力します。

親子関係などではそうやって、
何十年も絡み合い、こじれた愛憎劇となった
コントロールのストーリーを
演じ続けていたりしますね。

ただただ愛され、受け入れられ、認められ、
自分がここに存在していてもいいのだという
安心感を得るために、

子供は親の理不尽なコントロールに
ひたすら耐えるのです。

パートナーでも、仕事関係でも、
この構造は一緒です。

また同時に、コントロールをしてしまう側も、
潜在的には相手に自分を受け入れてほしい
という思いを強く持っていると思います。

私を一人にしないでほしい。
ずっと側にいてほしい。
完全に、100%私を受け入れてほしい。
愛してほしい、などなど。

こちらの表現だと、パートナー間の
関係性がイメージされやすいでしょう。

いずれにせよ、深いところで同じものを
持った者同士が、互いの心の空虚さ、不足感を
埋めようと、コントロールという行為を通して
絡み合っているのです。

これはパワーゲームの一種ですね。
あまり楽しくない、苦しいゲーム
だと思いますが。。。

自分がきついコントロールをしてしまうが故に
人間関係がうまく築けない傾向のある人は、

コントロールしてしまいそうになる衝動自体を
どうにかしようと抑圧するのではなく、

コントロールしないでいる状況で浮上する
落ち着かない気持ちの責任を
自分で引き受けることです。

つまり、コントロールすることで
避けようとしている状況で味わうであろう
気持ちのことです。

たとえば、
1人になってしまう孤独や淋しさ、
打ちのめされるようなショック、
無力感、惨めさ、悲しみ、などなど。

これらは、あなたの心の中に
未消化のまま残り続けているものなので、

どれだけ状況を変えようと、
あなたの心の中にそれがわだかまっている限り、
どこにいても、何をしようと在り続けるのです。

ここが完了すれば、コントロールしなければ!
という駆り立てられる気持ちは薄らいでいきます。

また、コントロールを受け入れている側も、
それによって得ようとしているものを放棄し、
自分で自分を満たすようにすると、
コントロールを拒否することができます。

人に愛されなくても、自分が自分を本当に
愛し、認め、受容していれば
人に満たしてもらう必要はなくなりますからね。

こうして、コントロールというタイトルの
パワーゲームは終焉を迎えるのです。

 



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